趣味的受験数学

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大学受験有機化学有名反応一覧

書きたくなったので書きます。

以下の反応は大学受験有機化学において過去に注釈が付かずに出題されたあるいはこれからされ得る反応です。難関大学二次試験の化学で点を取りたい方は知っておくべき反応です。(☆が付いているのは"基本的に"検出反応として使われます。また、☆が付いていなくても検出反応のように使われる反応も存在します)

 

・置換反応

ハロゲン化(塩素、臭素ヨウ素化が有名)

スルホン化

ニトロ化

ナトリウムアルコキシドの生成

アルキル化

・付加反応

付加重合

・縮合重合

・酸化反応

アルコールの酸化反応

ワッカー酸化

ナフタレンから無水フタル酸を生成

・開環反応

開環重合

6-ナイロン生成

・分子内脱水反応

エタノールを170℃で硫酸脱水

・分子間脱水反応

エタノールを140℃で硫酸脱水

・オゾン分解(反応)

☆銀鏡反応

☆フェリーング反応

☆ヨードホルム反応

☆ビウレット反応

ニンヒドリン反応

☆キサントプロテイン反応

☆塩化鉄(III)によるフェノール性ヒドロキシ基の検出反応

・脱炭酸反応

・けん化

・弱酸(塩基)遊離反応

ベンゼンスルホン酸ナトリウムのアルカリ融解反応

・アセチル化

アセチルサリチル酸の生成

・ナトリウムフェノキシドにCO2を高圧で反応させる

・ジアゾ化

・カップリング反応

ジアゾ化とセットで覚える

・アセタール化

ビニロンの生成

 2016/10/14付

 

 

この反応無くないか?というように抜けている反応がありましたらコメントにてお願い致します。その都度追記します。 

 

ポリアの壺による連続した数の積の展開式の考察

ポリアの壺とは、

ある袋に黒と白の2色の玉がそれぞれ m,n 個ずつ入っている。この袋から無造作に玉を一つ取り出す。そして、取り出した色の玉を加える。この動作を繰り返す時、この動作の回目に黒の玉を取り出す確率を Pm(N) とすると。

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である。というものである。

これを座標を利用して解いていくと階乗の展開式(恐らく正しいが確証はない)が得られることを利用する。

では、どのように座標平面上に示すのか。

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上図のように示す。勘のいい人はすぐに、Pm(N) は N の斜めの直線に入ってくる赤い線の確率の総和であるとわかるだろう。具体的に書き込むと下のようになる。

 

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となる。これを重複に気をつけて一般化すると、

f:id:shth70:20161119073903j:image

ここで、ポリアの壺の確率より、等式で結ぶと、

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この式が得られる。

またこれは以下のように書き換えられる。

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追記:2016/10/01

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以上のようにN≧2の整数において成立することが示された。

 

代入法の原理

一般的参考書に書いてあるかどうかは知りませんけど割と疎かというか雑に扱われているような気もします。当たり前といえばそれでおしまいなのですが…

 

①式と②式があって①式を②式に代入して③式が出てきたとき

①かつ② ⇄ ①かつ③

が成立する。

というものですね。考えてみると当たり前ですね。

仮に①と②をある二変数の式とします。すると変数 x,y の下で

y=f(x)…

y=g(x)…

とします。すると仮に①に②を代入し、yを消去すれば

f(x)=g(x)…③ 

が出てきて xが求まります。しかし、③のみで yが決まることはありません。要は①式と②式を使って③式を導いた場合、①式と③式。または②式と③式の二式を連立して得た解は①式と②式を連立して得た解と同値。

 

もう少し言い換えてみます。

①かつ②に同値であるためには、ある条件を用いて①かつ②を導けることと同値。すなわち、③のみならず、①または②が必要。よって①かつ③または②かつ③のときに同値。③単体は①かつ②であるための必要条件。

前の記事でも述べた通り、必要条件のみから必要十分を示すのはほとんど無理です。

a<b≦c について

a<b≦c a<c について考えよう。

証明している時にどちらが十分なのか迷う時がある。これは

a<b≦c…(条件α)

a<c…(条件β) 

とすれば明らかに

(条件α)は(条件β)の十分条件であり

(条件β)は(条件α)の必要条件だ。

すなわち(条件α)を示せば自動的に(条件β)は示される。

至極当たり前である。証明ではよくある手だろう。

必要十分の話が分からない人は集合と論理分野を復習しておくべきだ。必要十分の議論は集合と論理分野から出されるというより、確率、二次不等式などで解答する際に利用すると楽になることが多い。

また、裏技的手法として必要条件から攻め条件が必要十分であることを証明するというものがあるが殆ど使い道が無いのでここでは記述しない。

 

受験数学における包絡線の導出とその意味についての考察

包絡線とは何か?wikipediaには以下のように包絡線について書かれていた。

包絡線(ほうらくせん、envelope)とは、与えられた曲線族と接線を共有する曲線、すなわち与えられた(一般には無限個の)全ての曲線たちに接するような曲線のことである。

<包絡線 - Wikipedia>

まあ、意味はわかる。だが、受験数学において求めるとなると話は変わってくる。ファクシミリ法と呼ばれる方法も包絡線を求めているのとは大差ない。

一般的な難関校受験生が行う考え方は下の通りであろう。

ある関数 f(x,y,t)=0・・・(*)xy平面上において t∈T を満たしながら変化するとき、f(x,y,t)=0 が動いた際に描く領域を g(x,y)≧0xy平面上に示せるとする。このとき、g(x,y)≧0 ・・・(**) とする。

ここで(**)とは、(*)がある(x,y)  において t∈T を満たすt を代入し(*)が成立するならば、その(x,y) が(**)内部に存在するような領域。

すなわち (*)⇔F(t) とし、xおよびyを定数とみなしてF(t)=0となるtt∈T に存在する条件。これがg(x,y)≧0 と同値である。

 日本語にするとなんとも分かりにくい。要は、f(x,y,t)=0をx,yは定数であるtの関数とみて解き、そのときtがある値域に限定された変数ならばその値域に解が存在する条件、すなわち存在条件を考える。その存在条件こそが、f(x,y,t)=0がある値域内でtが変化して動く際に(x,y)平面に描く領域に一致する。ということだ。

なので、受験生はxおよびyを定数とみなし、tの関数として解いて出た答えを範囲とし、その境界の関数を包絡線と覚えれば良い。

問題はこの先にある。

言わば、受験テクニック的なもので

f(x,y,t)=0 を t の関数とみなし、t微分。出てきた関数をf'(t)=0 とすれば、f(x,y,t)=0 と f'(t)=0 の二式を連立しt を消去すると包絡線 g(x,y)=0 が得られる。

というものだ。なんで?という感じである。偏微分だとかの証明を使ってくれているサイトも見かけているが、偏微分を知らないとよくわからない。なぜこのような関数が出てくるのか。それを日本語のみで可能な限り僕の分かる範囲で説明してみる。

 

まず、そもそもf(x,y,t)=0 とはなんなのか?これはxy平面上においては領域のようなものを表している。そしてこの領域の境界線を表したものこそが g(x,y)=0 。包絡線である。そして、f(x,y,t)=0微分するとはなんなのか?つまりは dx/dt および dy/dt がともに0であるということ。すなわち、f(x,y,t)=0 という領域内の点の集合に強引にt に依らない関数を生み出すための条件を付与したと考えられる。するとここで疑問が生まれる。「 f(x,y,t)=0 f'(t)=0 の二式を連立したら領域f(x,y,t)=0 に含まれ得る無数の関数が出てくるのではないか? 」すなわち、領域f(x,y,t)=0 に内にはいくらでも関数描けるよね?ということである。僕自身、最初にここで「は?」となった。では、なぜ都合よく包絡線のみが導出されるのか?それは恐らく以下のような理由である。

f(x,y,t)=0 G(x,y)=F(t) とする。するとG(x,y) xy平面において領域f(x,y,t)=0 領域である。すると領域内の1点はF(t) に依存する。すなわちt に依存する。ここで、あるにおける関数f(x,y,t)=0 (∵ が定数なら1つの関数となる)は包絡線に接する。(これは包絡線の定義)すなわち、あるt によって定まるG(x,y)=F(t) という(x,y) の集合の中で包絡線g(x,y)=0 上に存在するのは1点に限られる。(もしかしたら2点で接する場合も存在する?) ここで、f'(t)=0 という条件(t に依らないという条件) を同値変形して出てくる関数は t=〜 と変形できるだろう。このことより、f'(t)=0 を同値変形して出てきた関数 t=〜 t と1対1対応している。ここで、f(x,y,t)=0 の領域内に全ての点で、あるにおけるf(x,y,t)=0 が1点のみで交わるような曲線は1つしか描けない(多分)。すなわち、包絡線のみ。よって包絡線が導かれる。

僕はこのように解釈した。図(手書きでごめんなさい)を交えると以下の画像のようになる。

(存在条件についての話はこちらへどうぞ。 受験数学における存在条件と包絡線の関係 - 趣味的受験数学   )

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2016/11/11更新