趣味的受験数学

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受験数学における存在条件と包絡線の関係

受験数学においては偏微分なるものが使用できない。その結果として存在条件というものがある。

一つは

ある範囲Tに実数が含まれる時、f(x,y,t)=0 xy平面上に描く図(領域)を図上せよ。

 

また、別の形としては

ある範囲Tに実数が含まれる時、f(x,t)=0 g(y,t)=0 とパラメタ表示された点(x,y)xy平面上に描く図形(軌跡)を図示せよ。

 

また、図を描かないとすれば

ある実数の下で、任意の実数x,yにおいてf(x,y,t)=0 が〜な解を持つ条件を求めよ。

など問題文においては色々な書き方がされる。しかしこれはいずれも受験数学においては存在条件の問題である。

存在条件の問題における基本的な考え方を述べると以下のようになる。

 

ある3次(または2次)関数において、ある一つの文字(など)がある範囲を動く時、残りの文字(x,y など)の動く範囲あるいは満たすべき条件は、その関数を一つの文字(など)の関数と見て、他を定数のように扱い、解の配置問題へと落とし込むことができる。

 

すなわち、一つの文字(など)がある範囲内に解を持つ条件こそが、求めるべき残り文字の満たすべき条件、あるいは動く範囲なのである。

 

更に言い換えよう。

 

ある3次関数(2次の場合もある)においてある範囲の下で一つの文字(など)が動く時、残りの文字の範囲、あるいは描く図形は、その関数がある範囲内の文字(など)の値を代入した際に出てくる関数、あるいは条件の集合である。もし、これが別平面(xy 平面など)に図示することができるとしたら、その図示された図形内に点が存在する条件こそが、ある一つの文字(など)がある範囲内に存在してる条件と同値である。すなわち、

ある関数を一つの文字(など)の関数と見なし、ある範囲内においてその関数が成立する条件こそが、求めるべき残り文字で描かれる図形、あるいは残り文字の存在可能な範囲である。

 

これは言葉遊びに近い要素があるので正直、いくらでも言い換えることができる。では核心は何か。僕がこの記事から何を学んで欲しいのかというと。

 

何かがある範囲において存在しているという条件で示される事柄は、その事柄を満たすとき、何かがある範囲に存在しているということと同値である。

 

聞けば当たり前であろう。しかし、これを数式化すると難しい。正直、一日程度で身につけられると思わない方が良い。これは訓練が必要だ。最初は何をしているかわからなくなるだろう。そこをぐっとこらえて、なんども解答を読み直すことが必要だ。慣れれば、自動操縦モードの様に手が止まることなく解けるようになる。東大志望者は必須と思った方が良い。