和積の公式の図形的意味
和積の公式。普通の参考書には積和の公式の文字を置換して〜などという訳のわからない導出がコピペのように載っている。こんなの覚える気にもならないし求めるのも面倒くさいという印象しか受けないであろう。そこで、図形的意味について考察することにした。なお、一応、和積の公式4つを一覧としてはじめに載せておく。
sin(a)+sin(b)について考える。
上図のようにOA=OB=1 としてA,Bを設定すれば、Bのy座標が求めるべき値であることはすぐに分かる。そこで下図のようにAを中心とする半径1の円を描く。
そして下図のようにCを設定すると∠a と同値な角が表れる。
そして下図のようにOAを延長して円との交点をDとすれば、△OBDはODが円の直径であることから
∠OBD=90°…①
とわかる。
ここで上図において孤CBに対する角を考えれば、中心角は円周角の2倍であることを利用して、
∠CAB=2∠COB=∠a+∠b…②
また、ODが直線であることより
∠DAB=∠b -∠a…③
同様に中心角は円周角の2倍であることから孤BDについて考えると③より
∠DAB=2∠DOB=∠b -∠a…④
よってOD=2と①を用いて
OB=2cos(∠DOB)…⑤
②,④,⑤を用いると
となり、式が導かれた。
なお、他の式も同様に導出ができる。以下に、∠aと∠bの大小が違う場合などの図を載せておく。
↑∠aと∠bの大小が逆の場合。
↑sin(a)-sin(b)の場合
↑cos(a)+cos(b)の場合
↑cos(a)-cos(b)の場合
全ての場合について一度図を描いて考えることをお勧めする。なお、冒頭で並べた式の形が、参考書に載っているような形ではなかった意味もこの証明を読めばわかったはずである。