趣味的受験数学

不定期更新

三角形の五心について

みなさんは三角形の五心についてどれほど考えを巡らせたことがあるのだろうか。三角形の五心の中で特に、内心、外心、重心、垂心は初学者を混乱に導くことが多々ある。

なのでひとまず、覚え方のようなものを記しておく。

 

まず内心。

これは内接円を書いてみるとわかりやすい。それぞれ、合同な三角形が三組出てくる。この事実から、内心は三角形の各頂点を通る角の二等分線の交点であることがわかる。

 

次は外心。

これは円に一本直線を引いてみるとわかる。その円の頂点を通る直線は、一本引いた直線の円によって切り取られる部分の垂直二等分線である。よって、外心は各辺の垂直二等分線であることがわかる。

 

最後は重心。

これは三角形の重心そのものである。ものの重心はものの物理的中心である。三角形であれば、各頂点から引いた各辺への二等分線であることは明らかである。

 

垂心については思いついたら書きます。傍心は正直、利用価値さえ思いついていないのでそのうち(未来永劫書かないかも)書きます。

必要十分条件

必要十分条件を示せと言われた時、なにを思うのか。

一番初めに考えるのは同値記号で変形していき、必要十分条件が示せるというものである。平和だ。これが最も望ましいし、受験生が最も得意だとしている解法だろう。

だが、難関大学の数学においてはそんなものは出ない。必要性と十分性を別々に示すものが出る。そして、その問題で合否が分かれることもある。

基本的に、必要性と十分性を別々に示す問題において十分性の方が先に示せることが多いように思える。なぜか?普通の問題は十分性を示そうとすると自動的に必要性も示せるようになっているからだ。

必要性はほとんどの問題において、代入で蹴りがつくことが多い。

 

必要条件と十分条件について混乱する方が多いのでなぜ混乱するのかを考えた。

必要条件は広い条件だが狭いのである。

どういうことか。年齢制限で考えるとわかりやすい。 

R18の物を購入するには、

15歳であることが必要であるが、十分でない。

すなわち、15歳であることはR18の商品を購入することの必要条件であり十分条件でない。

また20歳であることが十分であるが、必要でない。

すなわち、20歳であることはR18の商品を購入することの十分であり必要条件ではない。

18歳であるなら必要十分である。

 

和積の公式の図形的意味

和積の公式。普通の参考書には積和の公式の文字を置換して〜などという訳のわからない導出がコピペのように載っている。こんなの覚える気にもならないし求めるのも面倒くさいという印象しか受けないであろう。そこで、図形的意味について考察することにした。なお、一応、和積の公式4つを一覧としてはじめに載せておく。

f:id:shth70:20161129193245j:image

f:id:shth70:20161129193305j:image

f:id:shth70:20161129193314j:image

 

sin(a)+sin(b)について考える。

f:id:shth70:20161129193534j:image

上図のようにOA=OB=1 としてA,Bを設定すればBのy座標が求めるべき値であることはすぐに分かる。そこで下図のようにAを中心とする半径1の円を描く。

f:id:shth70:20161129193718j:image

そして下図のようにCを設定するとと同値な角が表れる。

f:id:shth70:20161129193816j:image

そして下図のようにOAを延長して円との交点をDとすれば、△OBDODが円の直径であることから

∠OBD=90°…①

とわかる。

f:id:shth70:20161129193949j:image

ここで上図において孤CBに対する角を考えれば、中心角は円周角の2倍であることを利用して、

∠CAB=2∠COB=∠a+∠b…②

また、ODが直線であることより

∠DAB=∠b -∠a…③

同様に中心角は円周角の2倍であることから孤BDについて考えるとより

∠DAB=2∠DOB=∠-∠a…④

f:id:shth70:20161129194233j:image

よってOD=2とを用いて

OB=2cos(∠DOB)…⑤

②,④,⑤を用いると

f:id:shth70:20161129195719j:image

となり、式が導かれた。

なお、他の式も同様に導出ができる。以下に、∠abの大小が違う場合などの図を載せておく。

f:id:shth70:20161129195910j:image

↑∠aと∠bの大小が逆の場合。

f:id:shth70:20161129200002j:image

sin(a)-sin(b)の場合

f:id:shth70:20161129200059j:image

cos(a)+cos(b)の場合

f:id:shth70:20161129200618j:image

cos(a)-cos(b)の場合

 

全ての場合について一度図を描いて考えることをお勧めする。なお、冒頭で並べた式の形が、参考書に載っているような形ではなかった意味もこの証明を読めばわかったはずである。

 

 

 

受験数学における存在条件と包絡線の関係

受験数学においては偏微分なるものが使用できない。その結果として存在条件というものがある。

一つは

ある範囲Tに実数が含まれる時、f(x,y,t)=0 xy平面上に描く図(領域)を図上せよ。

 

また、別の形としては

ある範囲Tに実数が含まれる時、f(x,t)=0 g(y,t)=0 とパラメタ表示された点(x,y)xy平面上に描く図形(軌跡)を図示せよ。

 

また、図を描かないとすれば

ある実数の下で、任意の実数x,yにおいてf(x,y,t)=0 が〜な解を持つ条件を求めよ。

など問題文においては色々な書き方がされる。しかしこれはいずれも受験数学においては存在条件の問題である。

存在条件の問題における基本的な考え方を述べると以下のようになる。

 

ある3次(または2次)関数において、ある一つの文字(など)がある範囲を動く時、残りの文字(x,y など)の動く範囲あるいは満たすべき条件は、その関数を一つの文字(など)の関数と見て、他を定数のように扱い、解の配置問題へと落とし込むことができる。

 

すなわち、一つの文字(など)がある範囲内に解を持つ条件こそが、求めるべき残り文字の満たすべき条件、あるいは動く範囲なのである。

 

更に言い換えよう。

 

ある3次関数(2次の場合もある)においてある範囲の下で一つの文字(など)が動く時、残りの文字の範囲、あるいは描く図形は、その関数がある範囲内の文字(など)の値を代入した際に出てくる関数、あるいは条件の集合である。もし、これが別平面(xy 平面など)に図示することができるとしたら、その図示された図形内に点が存在する条件こそが、ある一つの文字(など)がある範囲内に存在してる条件と同値である。すなわち、

ある関数を一つの文字(など)の関数と見なし、ある範囲内においてその関数が成立する条件こそが、求めるべき残り文字で描かれる図形、あるいは残り文字の存在可能な範囲である。

 

これは言葉遊びに近い要素があるので正直、いくらでも言い換えることができる。では核心は何か。僕がこの記事から何を学んで欲しいのかというと。

 

何かがある範囲において存在しているという条件で示される事柄は、その事柄を満たすとき、何かがある範囲に存在しているということと同値である。

 

聞けば当たり前であろう。しかし、これを数式化すると難しい。正直、一日程度で身につけられると思わない方が良い。これは訓練が必要だ。最初は何をしているかわからなくなるだろう。そこをぐっとこらえて、なんども解答を読み直すことが必要だ。慣れれば、自動操縦モードの様に手が止まることなく解けるようになる。東大志望者は必須と思った方が良い。

 

誰よりも速く地を行け

これに関しては持論なんですが、受験数学には3種類の人間がいると思うんですよ。

一つ目は、ある困難に出くわしてなにをすればいいかわからない人。これはなにもできない人だ。

二つ目は、ある困難に出くわした時に羽を広げ上空から俯瞰しながら進む人。これは言わば数学が好きな人がなりがちではある。ユニークな解法で解いたり、別解を見つけることが多々ある。

最後は、誰よりも速く、誰よりも最短経路で地を行く人だ。この人は受験数学において最上位層に位置する。

なぜ、このような分け方をするのか。それは到達点が2番目の人ではあってはならないということだ。確かに俯瞰できるのはメリットだしより簡潔な解答をかけるかもしれない。こういう人を求めているのは例えるならば京大や東工大だろう。しかし、3番目の人には勝てない。知識が足りないのではない。計算が遅いのではない。地を行く確固たる意志を持ち、上空から俯瞰せずとも問題の全容を進むうちに把握できるのだ。東大の理系数学において100超えを安定させられる人はここに属する。言わば、翼はあるが翼を広げずとも目的地へもっとも速く到達しうる人間だ。

僕は2番目の人間である。謙遜しているわけでもないし、大学で判断しているわけでもない。僕の意識の問題だ。このブログを見ている方には是非とも受験数学においては3番目の人間を目指してもらいたい。見える世界が変わるだろう。僕も今もなお目指し続けている。

受験英語で出そうな有名合金の英語名一覧

金属元素

Cu (copper)

アルミニウム Al (aluminum)

鉄 Fe (iron)

スズ Sn (tin)

亜鉛 Zn (zinc)

ニッケル Ni (nickel)

※銅は要注意

 

合金

青銅(Cu,Sn) bronze

白銅(Cu,Ni) cupronickel

黄銅、真鍮(Cu,Zn) brass

ステンレス鋼(Fe,Cr…) stainless steel

ジュラルミン(Al,Cu,Mg…) duralumin

 

 

随時追加、変更します。

 

還元性をもつ官能基

有機化学において、還元性のある官能基は?と聞かれたら普通の人はアルデヒド基と答えるであろう。

-CHOである。

確かにそうだ。官能基に分類されるのはそれだけだ。だが、構造決定には還元性をもっていれば官能基でなくても銀鏡反応を示すのだ。

結論から言うと、フルクトースのケトースにおいて還元性を示す

-COCH2OH

である。

正直、還元性のある異性体にこれが含まれていたらたまったものではない。一応頭の片隅にでもいれておくと良いだろう。

東工大2009年度の第5問にこれを数えさせる問題が存在している。